災害援護資金貸付金 定期償還 vs 繰上償還
災害援護資金の貸付に関して、定期償還(契約で決まっている年賦償還又は半年賦償還のこと)と繰上償還はどちらが強いか! とういうお話。
例えば、
貸付実行:平成23年9月1日(3,500,000円 年1.5%)、据置期間6年間満了:平成29年9月1日、第1回目償還期限:平成30年3月1日(半年賦、元金238,040円、利子26,250円、元利計264,290円)
1 市役人Xは、平成30年2月9日に定期償還分として、元利計264,290円の納付書を、借受人Aに送付し、翌日の平成30年2月10日に借受人Aは受領した。
2 借受人Aは、平成30年2月13日に勤務先から成績優秀につき臨時収入500,000円を得た。この500,000円全額を借入金の償還(返済)に充てることした。
3 借受人Aは、利息を安くするため、翌日の平成30年2月14日に、先に約200,000円を繰上返済し、その後、利息が再計算され安くなった分の定期償還分(つまり、元利290,540円から利息分が若干、安くなった分)を納付しようとして、市役人Xに申し出た(借受人Aとしては、できれば、500,000円ちょうどを償還(返済)したいという意志がある)。
4 市役人X曰く「定期償還分の納付書が発行されている場合は、その分(元利264,290円)を償還(返済)した後でないと、繰上償還はできなことになっております。ですから、この場合は、定期償還分264,290円、繰上償還分235,710円(=500,000-264,290)になります。定期償還分の利息は納付書発行時に確定してますので、安くなりません」と。
つまり、利息は調整されない(安くならない)。
5 借受人Aは、この説明に自身の見当違いだったと思い込み、「残念、もう納付書が発行された分は安くならないのかあ!」と言って市役人Xの言われるがまま納付したのでありました。
上記のやりとりについて、素人の身でありながら考察すると、市役人Xがした説明は、法令に反していると思います。
正しくは、借受人Aが3で考えたとおりの手順(繰上償還をしてから約定償還をする)をしなくてはならないと考えます。
災害弔慰金の支給等に関する法律施行令第7条4項では、借受人は「いつで繰上償還をすることができる」と規定しています。
「納付書発行済み」を理由として、この「いつでも」に反する行為をするのは、令に違反すると思います。(どうしてもしたいのであれば、条例で規定する必要があると思います。)
民法第489条(弁済の充当の指定)、第491条(元本、利息及び費用を支払うべき場合の充当)の規定にも抵触するかも?
それで、結論とすれば、繰上償還は、定期償還を消し去るくらい非常に強く優先されるものだと思います。
後学のためにも、誰か、正しい扱い方、考え方を教えてください。