年賦、半年賦償還金の会計年度の所属が解らない
災害援護資金では、年賦又は半年賦で償還(返済)してもらうのですが、この償還金の所属年度が分かりません。
地方自治法や同施行令で定まっていることはいるんですが、どうも定まっているとおりにはできそうもないのです。
結局は、「たいしたことないさ。仕方ない」ということで、法令から脱線?してしまってしまうのかも?
この辺りについて、考えたいと思います。
事例 貸付け実行日 平成23年10月3日(月)
据置期間終了日 平成29年10月3日(火) 貸付け実行日から6年経過
初回の償還期日 平成30年4月3日(火) 半年賦償還の場合
この場合の、歳入の会計年度所属区分は、地方自治法施行令第142条第1項第1号の規定では、納期の一定している収入の所属年度は、納期の末日の属する年度となっていることから、初回の償還期日の平成30年4月3日が属する「平成30年度」になると思われます。
年度開始(平成30年4月1日)から、納期到来まで日数がほとんどなく、この実質2日の短期間で償還を求めるのか?それとも、年度開始前に償還を求めて、年度開始前に納付された場合も、「平成30年度」の収入として扱うのか分かりませんし、そんなことはできないと思っています(4月1日からでないと、調定できないのではないかと思います)。
そこで、いっそのこと、いわゆる「運用」で、償還期日を3月末日にしてしまって、「平成29年度」の会計年度にしてしまうということも思いつきますが、これは、4月1日から同月3日までの3日間を奪うことになり「権利を制限」することなるとも思いますので、法令や条例で定めがないと駄目だと思います(地方自治法第14条第2項)(借受人の承諾があれば可能かもしれませんが、全ての借受人から承諾を得るのは難しいのではないかと思います)。(参考:地方自治法第14条第2項 普通地方公共団体は、義務を課し、又は権利を制限するには、法令に特別の定めがある場合を除くほか、条例によらなければならない。)
なので、この場合は、地方自治法施行令第142条第1項第2号、3号に定める「随時の収入」とし、「納入通知書を発した日の属する年度」として扱うしかないと考えます。
となると、災害弔慰金法施行令第7条にある「年賦」「半年賦」は、償還額の時期と算定方法と規定したものではあるけれど、実際に償還事務を行うには、「繰上償還」として扱い、納入期限も約定と同日(平成30年4月3日)とし、償還されたお金は、直後に納期の到来する年賦又は半年賦の償還分に充当するという扱いになるのではないでしょうか?(民法第489条、民法第491条)
繰上償還として扱うためには、借受者から「繰上償還申出書」なるものを提出してもらわないといけないようにも思えなくもないが、これは、借受者の意志で自発的に繰上償還をするときに必要になるものであって、役所側の事務処理上の都合(意志)で、繰上償還として扱うのだから、不要だと考えます。
以上のような考えで、法令上、何か不都合があるかどうかと、ぼんやりと考えている(他人の仕事なのにね・・・)。